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室町時代創建の西光禅寺は、広島県三次市の山あいに佇む静謐な古刹。樹齢600年を超える神木や苔むす石仏、四季を映す「華厳の庭」や戦禍を超えて響く梵鐘など、自然と調和するミラクルな空間です。
梵鐘
西光禅寺の梵鐘は、江戸時代の寛政十年(1789年)に、東大寺の鋳物師・丹下甚太郎延広によって作られました。高さ126cm、直径59cmの立派な鐘で、戦争中も溶かされることなく奇跡的に残り、昭和39年に三次市の重要文化財に指定されました。
この梵鐘は五音である「宮・商・角・徴・羽」のうち、「羽」はもっとも高く清らかな音に調律されています。
2023年には、戦争を乗り越え、平和を願う象徴として、国連主催の平和イベントでもこの鐘の音が世界に紹介されました。
鐘撞堂
西光禅寺の鐘撞堂は、裏山にあった樹齢約600年のヒノキを使用して、平成20年(2008年)2月に再建されたものです。 これらのヒノキは、平成19年の大型台風によって倒木してしまいました。古木を供養するとともに、西光禅寺の重要文化財である梵鐘を守るため、檀家さんのご協力とご寄進をいただき、無事に完成に至りました。
長い歳月を生きた木と地域の祈りが込められた鐘撞堂は、いまも梵鐘の澄んだ音とともに、訪れる人々の心に静かな感動を与えています。
山門
西光禅寺の山門には、力強さと気高さを併せ持った龍と鳳凰の彫刻が設置されています。この作品は、2020年世界的なチェンソーアート作家によって一本の楠から制作されたものです。
古代中国では、「龍と鳳凰が一緒になると吉兆が訪れる」、今でも「龍鳳呈祥(りゅうほうていしょう)」という言葉に、その願いが込められています。
さらに、この作品は西光禅寺の北斗七星とカシオペア座をそれぞれ「龍」と「鳳凰」の象徴と捉え、設計された「華厳の庭」の設計思想とも深く結びついています。